2017年10月5日

平成29年度 第1回食品・メニュー開発企画部会を開催しました


柿の産地である「JAにじ」「うきは市商工会」「うきは市うきはブランド推進課」のみなさまにお集まりいただき、食品・メニュー開発企画部会を開催しました。
柿の生産状況や既存の加工品についてのヒアリング、これからの商品やメニュー開発についてのご意見をいただきました。
 
第1回食品・メニュー開発企画部会
 
<1>既存の柿加工品について紹介と意見交換

 

「うきっ娘」(加工・販売:JAにじ 女性部)

  • 規格外の柿を使用したドライフルーツ。その柿の中心部分からスライスし、形がよく取れたものを乾燥している。
  • 1日に約150kgの柿を使用して生産しているが、そこから商品となるのは半分ほどの量である。

 

協議会事務局より「中食の企業や管理栄養士にヒアリングした結果、柿のドライフルーツは消費期限が長く、生食に比べると軟化や腐敗の心配がないため、様々な料理に利用しやすく、大きな需要が見込まれる。料理にする段階で、砕いたり切ったりするため、形や大きさは関係ない。今年度はこれまで捨てていた小さな部分も利用して生産し、業務用として販売することは可能か」と提案したところ、JAにじ女性部より「需要があるならば生産したい。うきは市の小中学校の給食への導入についても打診があっている。今年度は廃棄していた小さい部分も商品化に取り組む。」との回答がありました。

うきは市教育委員会とも連携し、今年度中に給食メニューへの導入を目指します。
 
第1回食品・メニュー開発企画部会
 
「柿味噌」「柿ディップ」(加工・販売:うきは市商工会 女性部)

  • うきは市商工会女性部が柿の乾燥を行い、メーカーに持ち込んでいるが、女性部の人件費は商品価格に含まれていない。
  • 本体だけでなく容器代(包装含む)にも費用がかかっている状況の為、利益はかなり少ない。
  • 昨年度までに作成した商品は、柿を天日干ししたために色が黒くなってしまい、柿と分かってもらいにくい状況であった。今年度は色がよく出るように別の方法を検討する必要がある。

 

うきは市商工会女性部より「JAにじ女性部で生産しているドライフルーツを味噌やディップに用いることは可能か?」との質問があり、「必要量がわかれば生産できる。」との回答がありました。
今年度は地域内で協力し合い、より質の高い「柿味噌」「柿ディップ」の生産が可能になりそうです。
 
第1回食品・メニュー開発企画部会
 
「柿ピューレ」「柿ドレッシング」(加工・販売:JAにじ 女性部)

  • 柿ピューレは手間暇かけて綺麗な色を出している。
  • 既に製品化されている柿ドレッシングの大量生産は今すぐにでも可能。ただ、添加物を全く入れておらず、油も最小限にするなどこだわって作っているため、業務用とした場合、どれくらいの賞味期限が設定できるか検討が必要。

 

事務局より「福岡市教育委員会学校給食運営課へのヒアリングで、柿とわかる色をしている加工品が食育の観点からも導入しやすいとの意見が出た。ピューレを給食の調理現場でドレッシングにすることもできるとのこと。JAにじ女性部が生産しているピューレは非常に色が美しく、ここまで色が綺麗で美味しいピューレはなかなかない。大量生産は可能か?」との質問があり、「今のところニーズがないので大量生産はしておらず、受注があった時のみ生産としている。」との回答がありました。
また、事務局より「柿ドレッシングなどの加工品は、本協議会の参画企業で発売できる可能がある。」との提案がありました。

 

<2>柿レシピの展開について

 

昨年度、中村学園大学の教員が開発した「柿レシピ」をうきは市内の飲食店などで展開ができないか、事務局より打診を行いました。

JAにじより「直売所『にじの耳納の里」内にあるバイキングレストラン『夢キッチン』でメニューとして販売開発が可能。レシピ等を記載したリーフレットを店舗に置くことも可能である。」との回答がありました。
また、うきは市商工会からは「商工会会員へ案内をすることは可能。興味を示した店主は紹介する。」との回答がありました。

事務局よりレシピと、柿の機能性を紹介したリーフレット等の提供を行うことになりました。

 

<3>現在かかえている問題点について

 

柿の生産者や加工者が抱えている問題についてヒアリングを行い、以下の意見が出されました。

  • 加工者の高齢化が進んでいる。
  • 加工者は、農業など他にも仕事を抱えている中で作業をしている人が多く、人手不足が問題となっている。

 
第1回食品・メニュー開発企画部会
 
<4>機械導入(設備投資)について
 
現在、中食企業で柿メニューの導入を検討していただいていますが、その中で必ず「下処理(皮むきや種とり、カットなど)して納品してもらいたい」という要望が多く寄せられます。
また、消費者もカットフルーツを好んで購入する傾向があります。
このことからも、柿そのものを販売するだけでなく、柿の皮むきやカット処理までしたものを販売することができれば、さらに需要が伸びることが予測されることを提案しました。
JAにじ女性部からも「惣菜コーナーでカット柿を販売したことがあり、非常によく売れた。一般消費者にもカット柿はニーズがあると感じた。」との意見が出されました。
これを踏まえ、JAにじでは「価格を少し高く設定して販売することができそうである。カット柿の出荷について、設備にかかる費用含め、今後前向きに検討を重ねたい。」との回答がありました。

 

これらの現状を踏まえ、当協議会では、加工品の業務用生産の推進・レシピの普及・機能性の認知普及を進めていきます。

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