2019年3月20日

平成30年度「機能性農産物等の食による健康都市づくり支援事業」最終報告会


農林水産省「食による健康都市づくり支援事業」の平成30年度の成果報告会として第2回健康増進プログラム企画部会を開催しました。

3月19日(火)、参画企業・団体から、各領域において専門的知見を有する方々を委員として招聘し、事業の最終成果報告を行いました。

  • 商品メニュー開発
    【一次加工品】
    ☑本事業では特に廃棄量等の課題の多い「柿」に着目したメニュー開発を行ってきたが、中食・外食・集団給食に従事する栄養士や調理員から、皮むき・種取りなど現場に過大な負担がかかるという意見を多数いただいた。
    ☑そのため平成30年度は、皮むき・種取などの下処理済みのカット柿・柿ピューレ等の一次加工品を利用した普及展開を実施。
    ☑調理等の現場の負担軽減といった働き方改革の一助になることを期待した。
    ☑導入後、一次加工品による調理についてアンケートを実施した結果、カット柿・柿ピューレについては7割以上の人から「とても扱いやすい・まぁ扱いやすい」との回答が得られた。
    ☑今後は、一次加工品を製造する際の一部機械化や省力化が課題である。
    【メニュー開発】
    ☑3年間で合計285レシピを開発。今年度も新規メニュー開発ならびにブラッシュアップを行った。
    ☑また、今年度は各レシピの栄養価だけでなく、柿をメインに、利用した他食材の機能性や効能などの開発ポイントも集録したレシピ集を作成した。
    【商品開発】
    ☑商品のデザイン性を高めることにより販売ルート拡大を狙った「柿チャツネ」を開発。
    ☑販売企業が今回の柿チャツネを主力商品として、東京都中小企業振興公社より事業可能性評価をいただくことになる他、女性誌にも商品掲載予定など、今後さらなる販路の拡大と展開を期待している。
    ☑BtoB商品としての販路拡大を狙い、防災食としての「備蓄ゼリー」を開発。
    ☑開発ポイントとしては、乾パン等の持つ課題(老人や子供等喫食のしづらさ、水分が別途必要等)の解決、発災から時間が経つにつれ不足する栄養素の必要、インバウンド観光客等の宗教的壁の課題(ハラルやヴィーガンへの対応)解決であった。
    ☑柿ピューレをベースとしたリンゴ味のゼリーを試作。デザイン等を含めた商品の磨き上げ等をを進めたい。
  • 広報普及活動
    ☑柿を料理の材料として利用することの普及・定着を図るため、平成30年度7回に渡るセミナー等の開催を行った。また、ポスター、リーフレットの設置による広報活動も実施。
    ☑郷土料理・食文化として柿や地元の地域農産物の理解を促すべく、子供向けの食育のイベントを開催。
    ☑参画団体等に協力いただき、中食・外食・集団給食等ヘの柿メニュー導入を行った結果、平成30年度は約5万食以上を提供することができた。
  • 機能性のエビデンス整理
    ☑機能性表示食品の届け出のために、詳細な機能性物質の成分分析を実施した結果、必要な関与成分の特定や作用機序が確認できた。
  • 隘路の解消状況
    ☑平成28年度に設定した隘路について解消に向けた取り組みを行ってきたところであり、一部課題は残るものの、「未利用資源の社会化」としての一助を担うことができたと考えている。
    ☑未利用のまま廃棄されていた柿が加工を施すことにより、社会的な価値が約5倍以上の価値をもたらしたといえる。

各委員からは以下のような意見、感想が出されました。

・柿の加工品は高価であるため、ビジネス展開をするには原料価格を考えていかなければらならない。
・備蓄ゼリーは試作品をもって今後テストマーケティングをしながら本格的に商品化を行いたい。
・給食導入によって柿ピューレ、カット柿などあまり柿に親しみのなかった子供たちに味わってもらえたことに感謝している。
・市レベルで課題にしていたことを、本事業に参画することで形ができあがってきた。
・今回は柿を中心とした事業展開となったが規格外品となる資源は他にも多い。この取組を他の農林水産物にも適用させて展開を図っていきたい。

今後も地域課題の解決に向け、より一層の発展ができるよう持続的な協力体制を築いていきます。

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