2016年7月27日

第1回健康増進プログラム企画部会開催


農林水産省「機能性農産物等の食による健康都市づくり支援事業」に
採択されてから初となる健康増進プログラム企画部会を開催。
参画企業・団体から、各領域において特に専門的知見を有する方々を委員として招聘し、
本事業の全体像を確認するとともに、福岡県における地域課題の解決に向け、
地域農林水産物の活用と食育による健康増進プログラムを策定すべく議論を行いました。

 

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福岡食育健康都市づくり地域協議会では、以下を目的とし食育による健康都市づくりを推進します。

  • 健康プログラムの策定・実施
    ➔地域の農林水産物と食育から地域課題を解決
  • 地域農産物の機能性成分を使った商品・メニュー開発
    ➔地域課題の解決に資する機能性農作物を活用
  • 機能性成分のエビデンス確立
    ➔機能性農作物を活用した商品やメニューが人体に及ぼす効果効能について、
    定期的データ収集と定量的効果の検証・機能性表示食品制度の認定
  • 商品、メニューのブランド化
    ➔習慣化が軸となるような機能性農作物のブランド化
  • 人材育成
    ➔地域課題の解決に資する人材の育成

福岡県の地域課題の一つであるメタボリックシンドローム。
県の男性肥満率は約3割にも上ります。
さらに、メタボリックシンドロームに起因する生活習慣病罹患者が多いという
深刻な課題を抱えている現状です。

 

この課題に向け、当協議会は福岡県を代表する農産物
【柿・大豆(クロダマル)・トマト・三番茶】を選定。

特に柿は、脂肪分解作用や血中の善玉コレステロールを増やす働きがあるとされ、
メタボリックシンドロームの予防に繋がる機能性を持ちます。
しかしながら、年間6,000tも廃棄されるという消費課題も。
また、八女茶は全国的にも認知度が高いですが、その三番茶となるとコストが見合わず殆どが廃棄。
このような、地域農産物の消費課題も併せて、事業推進を図ります。

 

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本企画部会では、食による健康都市づくりを推進すべく、協議会としての3か年の戦略を記した「健康増進プログラム」の全体像についても意見交換がなされました。
協議会では「健康増進プログラム」に基づきPDCAサイクルを回しながら、事業を効果的・効率的に実施していきます。

 

  1. 地域課題の特定(外部環境分析)
    ・Politics:特保→栄養機能→機能性表示制度など食品の機能性に着目した法改正(食の健康に対する効果効能に着目)、増大する医療費抑制の要。
    ・Economy:九州経済の主軸である食産業(1次産業から3次産業までのすべて)において、食の機能性等を活用するといった「高付加価値化」が必要とされる。
    ・Society:福岡県は脳梗塞死亡者は47都道府県ワースト9位をマークするなどしており、生活習慣病等に起因する医療費の抑制が喫緊の課題。和食文化の重要性再認識。
    ・Technology:食品の機能性に係る分析装置の発達 ⇒ しかしながら機能性の組み合わせや、体内での吸収加速を促す「食事機能性」への言及は非常に少ない。
  2. 地域課題を解決する農林水産物活用の方向性
    視点①:廃棄食材の積極活用

    ➡富有柿は年間16,000tが生産されるが、そのうち年間6,000tが廃棄されるという消費課題が存在(機能性という新たな付加価値で消費拡大を企図)
    視点②:食材機能性から食事機能性へのシフト
    ➡単一の食材を喫食し続けることは困難。また食材の組み合わせで機能性の相乗効果も。日々の食習慣に落とし込むべく食事機能性へシフトしたメニュー開発が重要
  3. 生産・製造・ブランド化を含めたロードマップ
    取組①:「廃棄食材の積極活用」および「食事機能性」を軸とした食品・メニュー開発、加工方法の検討と複合商品化
    取組②:地域農産物の機能性について、保険診療機関による検診データを基に効果の検証を行い、その結果について協議会参画メンバーと共有
    取組③:地域での啓発セミナーや、サポーター店認定基準の策定、栄養士会を通じた病院給食での展開等、習慣化を促すプログラム化の取組
    取組④:地域商店街等におけるメニュー展開など、福岡における観光施策と連動したブランディング活動
    ➡キーワードは食育を通じた『食事機能性』の日常への浸透
  4. 定量的目標
    平成30年までに機能性農作物等を活用した商品・メニューの市場規模1億円を目指す
    ⇒ 
    機能性農作物の農業産出額 + 機能性農作物を活用した加工品等の食品製造出荷額 + 機能性農作物を活用した商品等の売上高

各委員からは以下のような意見が出されました。

  • 地域資源の認定を行い、商品開発に活かしてみてはどうか
  • 栄養の観点から大学、流通や企業、自治体といった連携に積極的に関わりたい
  • 機能性成分をレシピに落とし込んだ時に効果は発揮されるだろうか?
  • 摂取の仕方、食べ方の提案など商品開発後の展開が重要となる
  • メニュー開発では軸を作り、メインとなる商品に付随する食品も同時にブランド化すると
    消費に繋がるのではないか

様々な意見をもとに、「健康増進プログラム」策定のための作業を続け、商品・メニューの開発と機能性成分の分析も並行して進めます。

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