2016年11月17日

第1回実証効果検証企画部会を開催しました


介入試験・臨床実験・栄養学に知見のある中村学園大学栄養科学部の教授と、食品製造に関するノウハウと知見を持つ協議会参画企業を招聘し、第1回実証効果検証企画部会を開催しました。

まず始めに、事務局より事業概要と機能性農作物を使用したメニュー開発の進捗報告を行いました。

・ターゲットとなる農作物の成分分析完了
・機能性農作物を活用した一汁三菜メニューレシピの完成
・商品化にあたってクック・チャムプラスシーに協力依頼
・平成29年1月末までに開発したメニューの試食会を開催予定
・平成28年度末に販売開始予定
 

今後は、メニュー開発と同時に、メニューが人体に及ぼす効果効能についての実証に取り掛かります。
事務局より、実証方法について提案と収集した情報の報告を行いました。
 

・考案したメニューをもとに、実証実験用の喫食弁当を作成
・被験者は福岡県内の企業・地域に協力を求め、15~30人程度募集予定
・3週間、平日の昼食を機能性農作物を用いたメニューを喫食する
・上記のカロリーは700kcal前後とする
・農研機構が農水省の補助事業で人介入試験による機能性弁当の抗メタボ効果の検証を過去に行っている
・農研機構の効果検証によると、84日間の喫食実験で優位性が検証されている為、ポリフェノール・カロテノイドの機能性を地域農産物に置き換えても同等の効果が出る可能性がある
・奈良県では柿タンニンを2週間で抽出する技術が存在
 

上記の報告を踏まえ、各専門家に意見を求めました。


 

<中村学園大学 栄養科学部教授陣 意見>

・喫食実験では、柿の葉茶の活用も検討してはどうか
・その場合、柿の葉茶やタンニンの飲用に関する論文収集も必要となる
・エンドポイントとしては、肝機能GPTや脂肪肝の減少も目指すべき
・普通食との対比や柿の葉茶のエキスをカプセル化にしてプラセボを検証することも検討してはどうか
・朝食に量を指定して生柿の喫食を追加してみてはどうか
・普通食を食べた人との比較も検討してはどうか
・被験者へ試験前・試験途中の食事調査も行う必要がある
・3週間後の検証で「習慣化」の検証ができるか?3ヶ月後・5ヶ月後の検証が必要ではないか?
・BMI40以上の被験者も必要ではないか
・被験者の人数(30名)はパイロットとしてなのか?ボラティリティの計算を行った上で被験者数を算定した方が良いのではないか
・MRIは脂肪肝のチェックも必要
・空腹時のインシュリン値を計測すべき
・被験者の除外基準を整える必要性
 


 

<協議会参画企業 意見>

・肥満の人は摂取カロリーが高いのではないか?カロリーを摂りながらも、メタボリックシンドロームを緩和する食事だと継続性・習慣化が見込める。
・機能性のある食品でなくても、一汁三菜を喫食していれば痩せられる可能性もあり、そのあたりの精査が必要ではないか?
・機能性農作物を活用した食事でメタボの緩和に繋がったのが分かりにくいのではないか?
・製品の柿の葉茶(ペットボトル・缶)はタンニンが入っているのでは?
・加熱処理で成分が変わるものもあるのではないか?その場合の栄養素や機能性成分含有量の変化には注意が必要
・柿の機能性成分タンニンには酔い覚ましの効果もある。柿で酔い覚ましに効く商品のようなものができないだろうか
 

以上の意見を踏まえ、事務局では平成28年度中の実証実験の実施に向けて、被験者・実験内容を策定します。

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